公私に活かせる資格として人気の簿記。
しかし基礎的な知識と計算能力が問われる簿記3級で合格率は”40%”と低めです。
これは簿記がクセのある独特な考え方を行なうためで、理解できない方が多くおられるからです。
ではそんなクセが強い簿記を初心者が独学で学ぶのは無謀なのか?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
なぜなら筆者自身、簿記初心者にもかかわらず独学で簿記2級まで合格したからです。
この記事では筆者が簿記を250時間独学して感じた良かった点・悪かった点をそれぞれ3点、具体的に紹介しています。
これから簿記3級の合格を目指す方や独学での勉強を検討されている方が、ご自身にあった勉強方法を見つけやすくなりますので、最後までご覧いただければ幸いです。
- 30代エンジニアで2児(4歳、2歳)の父
- 2021年3月に簿記3級、2021年8月に簿記2級に合格
- 【勉強時間(独学)】簿記3級:51時間、簿記2級:200時間
本記事の結論
- 簿記3級は基礎的な簿記の知識と計算能力が求められる
- 自己管理次第で独学でも十分合格可能
- 費用的コストは抑えられるが、時間的コストが掛かる
簿記の資格概要を簡単に紹介

毎年約60万人が受検する、公私で実用性の高い金融資格
簿記は年間約60万人もの方が受検する資格で、簿記を持っていると会計知識が身に付いていることが対外的に証明されるため就職・転職時に非常に評価されやすいです。
また住宅購入時や医療費控除で行なう確定申告や日常の家計管理・資産把握にも役立てられるので、公私に活かせる資格です。
簿記2級があれば経理未経験の30代でも転職オファーあり!
そのため業種・職種にかかわらず、あらゆるビジネスパーソンにおすすめできる資格、それが「簿記」です。
簿記は難易度別に1級から3級までクラス分けされていますが、3級では基礎的な簿記の知識と計算能力が求められ、合格率は約40%です。
合格率はFP2級やITパスポートと同じレベルです
注目は基礎的な簿記の知識と計算能力が問われる簿記3級ですら、半分以上の方が不合格になるという点です。
これはなぜかというと簿記はルールに沿ってお金の流れを可視化するのですが、このときの「考え方のクセが強い」からです。
日常生活では何気なく行なうお金のやり取りも簿記的に考えると意外に複雑で、この考え方を理解できない方が多いです。
ではそんな簿記を独学で学習し合格を目指すのは無謀なのか、というと決してそんなことはありません。
その理由は簿記3級試験の配点傾向にあります。
大問 | 配点 | 出題傾向 |
第1問 | 45点 | 基本仕訳15問(1問3点) |
第2問 | 20点 | 帳簿や勘定記入、穴埋め |
第3問 | 35点 | 財務諸表や精算表の作成 |
上の表は簿記3級試験の配点と出題傾向をまとめたものですが、注目は簿記の基礎・基本となる「仕訳」が重視された第1問と第3問を解くだけでも最大80点が狙える点です。
第3問は応用分野の出題ですが貸借対照表や損益計算書といった財務諸表や精算表も、基本的にはお金の流れを仕訳し、その結果を記帳しただけのものです。
そのため仕訳をマスターすれば簿記3級に必ず合格できます。
そして仕訳のマスターであれば参考書や問題集を見て、独学で進められそうだと感じたので筆者は独学を選択しました。
ただ独学を進めていくなかで良かった点・悪かった点をそれぞれ感じたので、次にそれらを紹介していきます。
簿記独学の良かった点、悪かった点を3つずつ紹介

簿記独学の良かった点
費用が抑えられた
【簿記3級に掛かる費用】
- 独学…0円~約5,000円(参考書、問題集、過去問など)
- 通信講座…約10,000円~約25,000円
- 通学講座…約25,000円~約30,000円
独学最大のメリットがこの点です。
なんせ通信講座や通学講座を選択した場合は簿記3級の場合でも約1万円が必要になってきます。
その分質問回答やスケジュール管理、模擬試験などサポートは充実していますが、学習を始める前の段階でまとまったお金は払いづらいと感じる方は多いです。
その点独学は参考書や問題集、過去問などの購入で済むため、初期投資が安く抑えられます。
また好みの教材を選べるため、学習しやすく自然とモチベーションも上がります!
しかし
- 自分に合う参考書やyoutubeの探し方がわからない
- そもそも探すのが面倒だし、探す時間もない
と感じる方も多く、自身もそうでした。
そんな方に向けた参考書やyoutubeのレビュー記事は改めて作成予定なので、もうしばらくお待ちください。
ちなみに参考書は「よくわかる簿記シリーズ」、youtubeは「ふくしままさゆき」先生がわかりやすかったです!
自己管理能力が向上した
自分でスケジュールを立て、自分で進捗管理し、自分で行動を改善していくので必然的に自己管理能力が身につきます。
独学の場合は課題の提出など締め切りが何もなく、”いつまでに、どこまでやるか”を決めるのはすべて自分自身です。
どんなに忙しくても、しんどくても、毎日10分でいいので学習を継続し続けられるか否かが独学成功の分かれ目です。
また学習を進めていくと計画通りに進まなかったり、モチベーションが上がらなかったりすることも多々あります。
そこで遅れている原因は何か?どうすれば遅れを取り戻せるのか?自分のモチベーションはどうしたら上げられるのか?などを考え、行動を改善できるようになるので、自然とPDCAサイクルも身に付けられます。
初心者でもできるスケジュールの立て方は別途記事化します
学習時間・場所が自由
通学講座やオンライン講義の場合は講義時間が決められているため、講義に自身の都合を合わせなければなりません。
しかし独学なら
- 仕事や家事が終わり一段落した夜の自宅
- ぐっすり寝て頭がすっきりした朝のカフェ
- 会社のお昼休み、始業前のすきま時間
といったように自分のタイミングでいつでも、どこでも学習を始められます。
ちなみに筆者はもともと夜型でしたが仕事に加え、子育て・家事もこなしたうえで23時ごろから学習し始めるというのは眠気に耐えきれず早々に断念しました…。
そこでよく眠り頭がすっきりした朝型に仕方なく切り替えた結果、うまくハマり学習効率を上げられました。
同じように学習意欲はあるけど時間がないという方は”朝活”、おすすめですよ!
なりたい自分になる!朝活のおすすめ理由3選と時間の作り方をご紹介
簿記独学の悪かった点
疑問解決に時間が掛かった
独学最大のデメリットがこの点です。
参考書やyoutubeなどを利用する独学では基本的に質問できません。
そのため疑問点や不明点は、すべて自己解決しなければなりません。
簿記3級といえど決算整理仕訳や未収・未払・前受・前払といった分かりづらい論点もあります。
そんなとき周りに相談できる環境・人があればいいのですが、多くはそうでないため疑問を抱えやすいです。
また誤った理解や解釈、勘違いをしてしまうこともあります。
周りに同じように学習している人と話したり、質問したりすれば間違いに気付きやすいですが、独学ではそういきません。
筆者も勘違いにより学び直した経験があります
そのため最短時間で学習を進めるのは始めから無理、と思っていた方がいいです。
試験対策が不十分だった
情報収集や試験の傾向と対策、学習スケジュールへの反映などを1つ1つ自分で考え、判断するため対策に時間が掛かります。
また対策抜け・漏れも起こりやすいです。
実際筆者は対策漏れがあり、試験本番の第2問に全くの初見の問題が出ました。
非常に動揺し、ほぼ点数を落としました。
それでも第1問と第3問のおかげでなんとか合格できました
とはいえ万全な状態で試験に臨もうとすると幅広い対策が必要となるため、時間が掛かり勉強効率も悪いです。
その点通信・通学講座は短時間で試験合格できるノウハウを持っているため、ポイントを絞った効率的な対策ができ羨ましいなと感じたこともありました…。
精神的負担が大きい
独学は周りを気にする必要がないので、気が散らずとても集中できます。
しかし1人で長時間・長期間学習を継続するのはなかなか大変です。
同じように学習に取り組む仲間や講師たちと話せれば、気分転換や悩みを解決できたりしますが独学ではできません。
また勉強するためにスマホゲームや海外ドラマ視聴などのリラックス時間、友人・家族たちと過ごす時間なども犠牲にしなければなりません。
メリハリをつけた時間の使い方が身につけられます
そういった孤独や焦り、甘えなどを感じながら学習を継続しなければならないので、精神的な負担はとても大きいです。
逆に言えばそれらを乗り越え合格を掴みとれれば、とても大きな自信になります!
【まとめ】簿記独学は時間的コストが掛かるが、自己管理して頑張ろう!

独学は金銭的コストは抑えられますが、その分時間的コストが掛かることはしっかりと認識しておきましょう!
それがしっかりと認識できたなら、気に入った参考書やyoutubeなどを見つけ早速独学を始めてみましょう!
そうすることで
- 簿記が合うか合わないか
- 合いそうなら1人で進められそうか
- 合わないなら誰かに質問しながら進めるか、諦めるか
これらが判断できるようになります。
独学で進められそうだと感じたなら時間と精神的負担は掛かりますが、しっかりと自己管理しながら頑張っていきましょう!
また質問しながら学習を進めないと無理そうだと感じたなら、通信講座の利用を検討してみてもいいと思います。
筆者もいろいろレビューをまとめているので、良ければこちらも参考にしてください。
⇒【7社徹底比較】簿記通信講座のおすすめランキング(簿記3級、簿記2級)
それぞれ自分に合った学習方法で合格を目指しましょう!
最後に簿記は公私に役立つ素晴らしい資格です。
難しいと言われている簿記を取りたいなと思われたことはとても凄いことですし、筆者も全力で応援しています!
今後も簿記資格取得を目指すあなたに役立てていただけるようなブログを作成していきますので、今後とも何卒よろしくお願い致します。
簿記を学んで、お金の知識を身に付け、日々強くなっていきましょう!
それでは今日はこのあたりで、ではまた。